アンジュ・ヴィエルジュ リベリオン


 

「ついに――この日が来たようですね」
緑の世界に、無二の銃剣士あり。
その名を、マユカ・サナギと言う。
落ちこぼれと称されながらも、緑の世界の陰謀を阻止し、大きく成長を遂げた謎多きプログレスが握るグリム・フォーゲルは、いつもの大剣の姿ではない。

「望むところだねっ。新米に大きな顔はさせないぜぃ?」
青の世界に、無双のガンマンあり。
その名を、那月琉花と言う。
液体性質変化のエクシードと類稀なお祭り企画力で、青蘭学園にその人ありと謳われた少女はしかし今日、裏方でなく役者としてこの場に立っている。

二人の可憐なる射手は、距離をとって相対した。
互いに手にするは、それぞれ形状の異なる拳銃。
ただし、銃口は4つ――すなわち、互いに二丁拳銃の使い手であった。

相手から目を逸らさず、しかし決して一点のみ注視しない。
相手の全身をとらえる練達の技を、二人はすでに身につけていた。
双方、微動だにせず、ゆるやかな緊張が空気を軋ませる。

緊張が最大限に達したその時、

「はーい、始まりましたー、青蘭学園二丁拳銃頂上決戦! 実況はわたし、赤の世界の豊穣の女神様ミシスとー、解説に二丁小銃使いのアゲハ・サナギさんをお招きしてお送りしまーす!」
「私はマユカと下校しようとここに来ただけなのですが……」
「袖触れ合うも他生の縁、って青の世界コトワザ通り、快く引き受けてくれたんだよねー!」
「……まぁ、いいでしょう。マユカは未熟ではあるものの、その才は私を凌ぐ。凡百のプログレスに遅れを取ることはありませんから」
「はーい出ましたアゲハさんのシスコントーク! 果たしてその真実はいかにー!?」
「琉花ー! 頑張るのですよー!」
「だいじょーぶだよ、ウェンディってば。アタシが負けるわけないじゃん?」

獣耳の少女の心配気な応援に、琉花は笑って応える。

「琉花は青蘭学園でも指折りのガンマン。抜き打ち勝負では負け知らずともっぱらの評判だけど、マユカはどうなの?」
「マユカの統合軍における実技の成績は常に上位です。それに、本番に弱く、エクシードが安定しなかったころとはもう違う――勝ちなさい、マユカ」
「はいっ!」

最早、解説の体をなさぬ姉・アゲハの激励に、マユカは強く応える。

「さぁ、両者気迫はじゅーぶん! いよいよ戦いの火蓋が切って落とされます!」
「では私が合図をしましょう。投げたコインが地面に落ちたらスタートです」

「それでは――ここで、CMっ!」

 

“神をも恐れぬ者”たちよ。世界と闘う覚悟はあるか――
KADOKAWA新作TCG 「ドレッドノート」5月28日、発売!

 

「ようこそ、青蘭学園へ!」 2015年度、ここからアンジュをはじめよう!
アンジュ・ヴィエルジュ「スターターデッキ2015 可能性の絆」4月23日、発売!

 

「それで、琉花さん。私たちはいつまでこの体勢を続ければ……」
「CMが明けるまで! ダメだよ、視聴者にイマを感じさせないとダメなんだってば!」
「で、でもそれなら区切るシーンはここでなくても……」
「しょうがないじゃん、生番組ってそういうもんだよ!」
「そ、そうなんですね。分かりました、頑張りましゅっ」

互いに抜き打ち寸前の、極めて不安定な体勢のまま、二人は時を待つのだった。

 

 

ちなみに3月発売のコンプティークには、琉花とウェンディの馴れ初めが載っていたりしますので、書店で見かけた際には是非よろしくお願いします(挨拶)。